どんなに英語が苦手でも、ほとんどの方が知っている単語。
Yes(イエス)と、No(ノー)。
今回は、この簡単な言葉の落とし穴についてです。
普通に訳したら、こうですよね?
Yes = はい / No = いいえ
ところが、必ずしもそうとは限らないんです!
Yes = いいえ / No = はい
どんな場合にその逆転現象が起きるのかというと…。
それは、≪否定疑問文≫に答える場合です!!
≪否定疑問文≫について解説すると。
≪否定文をもとにした疑問文≫だそうです。
…そのままでしたね。すみません。 (^-^;)
早い話が「~ないのですか?」というような質問のこと。
とにかく、面倒なことは考えなくても大丈夫です。
順を追ってご説明しましょう!
例えば、まず、このような質問について考えてください。
Q1.Can you swim? (泳げますか?)
Q2.Have you done it? (それ、やってあるの?)
↑これらは≪普通の疑問文≫です。
それなら、普通の答えでいいですよね。
A1.Yes, I can. (はい、泳げます)
A1.No, I can't. (いいえ、泳げません)
A2.Yes, I have. (うん、やってあるよ)
A2.No, I haven't. (ううん、やってないよ)
次に、逆の形の質問がきたと考えてください。
Q3.Can't you swim? (泳げないんですか?)
Q4.Haven't you done it? (それ、やってないの?)
↑これらが≪否定疑問文≫なんです!
そしてここで逆転現象が起きます!
A3.Yes, I can. (いいえ、泳げます)
A3.No, I can't. (はい、泳げません)
A4.Yes, I have. (ううん、やってあるよ)
A4.No, I haven't. (うん、やってないよ)
ほらほら、見事に逆転していますよね?
そしてもう一つ、気付いていただきたいポイントがあります。
A1・A3、またはA2・A4を見比べると…。
どちらの疑問文に対しても、英語の返答は同じです!
変わったのは、日本語の はい / いいえ のほう。
なぜ、こんなことが起きるかというと…?
英語と日本語とで、決定的に違うことがあるんです。
何を基準に、Yes / No の判断をするかです。
英語の場合、訊かれているキーワードに着目します。
Q1とQ3では「swim」、
Q2とQ4では「done」がキーワード。
キーワードを肯定する(そのとおり)→ Yes
キーワードを否定する(それと違う)→ No
だから、どんな訊かれ方をしても、答えはそのまま!
そして、Yes なら肯定文、No なら否定文になるので
「Yes, I'm not.」とか「No, I am.」などという文は
絶対にあり得ません!!
一方、日本語の場合、相手の意見に着目しています。
Q1では「泳げるかも…という認識」だけれど
Q3では「泳げないかも…という認識」で接してきている。
相手の意見を肯定する(そのとおり)→ はい
相手の意見を否定する(それと違う)→ いいえ
だから、例えばQ3のような否定疑問文に対しては
「はい(あなたの言うとおりです)、泳げません」
「いいえ(あなたは間違っています)、泳げます」
と、相手の意見に対して返事をするんですね。
つまり、英語だとキーワードさえ分かれば返事ができる。
日本語だと、丸ごと話を分かっていないと返事できない。
こうしてみると、英語って意外と単純で。
むしろ無意識に使いこなしている日本語のほうが複雑!
日本語って意外と難しかったんだな~と思えてきませんか??