日本人に、イギリス人に対するイメージを尋ねてみると…。
「紳士・淑女!」
こんな意見が、割とよく聞かれるようです。
でも、実際はどうだと思いますか??
私は子どもの頃イギリスに住み、現地校に通っていました。
首都ロンドンからは離れた地域で、日本人は少なくて。
そこで毎日イギリス人と接して、感じたことを書いてみますね。
イギリス人は、≪紳士・淑女≫なのか?
まず子ども社会に関しては…答えは No! だと思います。
だって、子どもですから。
ワガママ・イタズラ・イジワル
…もちろん、ありますよ!!
私も、黄色人種として差別されたこと、何度もあります。
敗戦国の国民として罵倒されたこと、何度もあります。
金品を巻き上げられそうになったことも、あります。
笑い者にされ、晒し物にされて…。
…おっと。
あんまり書くと、つらい思い出が溢れ出てきそうです。
今回のテーマからずれてしまいそうなので、この辺にしますが…。
まあ、とにかく。
ドロドロした、むき出しの感情をぶつけられてきました。
こんなことを書くと、必ず反論も出てくると思います。
「そんな苦労は、帰国子女に限らない!
日本にいたって、子ども社会にはイジメがたくさんあるんだ!」
そう。その通りです!!
子どもならではの、無知であるが故の、残酷さ。
そこにはきっと、国境も、貧富の差もないと私は考えています。
ただし…人間は、変わります。
教育を受けたときに。
自我を見つめたときに。
本当の痛みを知ったときに。
イギリス人も、例外ではありません。
子どもから大人へと成長するにつれ、変わっていきます。
プライドの高さはピカ一と言われる、イギリス人ですからね。
本当に、≪紳士・淑女≫になるべく、変わろうとするんですよ!
ここで言う≪紳士・淑女≫とは、王侯貴族のことではありません。
(なりたくても、なれるものではありませんしね)
≪理想的・模範的な人物像≫という意味です。
それを思い描き、近づこうと努力することを指しています!
とても立派なことですよね。
自分を律していくうちに、高めていくうちに…。
いつしか≪本物の人格者≫に育つ人もいます。
でも、人間ですから…。
誰もが必ずそうなれるとは限らないのが、哀しいところ…。
その場合は、表向きだけでも、あるべき自分を演じておく。
本音を隠してでも、建て前だけでも善人になる。
いわば≪表面上の紳士・淑女≫でしょうか。
それを≪偽善者≫と呼んで軽蔑したいわけではありません。
下劣で粗野な態度を、隠しもしない人に比べたら…。
たとえ上辺だけでも礼儀正しく振る舞えるわけですから。
それはそれで、素晴らしいはずじゃないですか!
ただ、≪本物の人格者≫との違いを知っていただきたいんです。
私なりの、独断と偏見で書かせていただくと…。
「他人の幸せを、自分の幸せと感じることができる」
のが、≪本物の人格者≫であるとすれば。
「他人への配慮を欠くと、自分自身の品位を落としてしまう」
と、自分本位で考えて、自分の損得を計算して行動するのが
≪表面上は紳士・淑女≫の人たち。
つまり、イギリス人が≪紳士・淑女≫かと問われたら…。
大人社会では≪本物の人格者≫と≪表面上の紳士・淑女≫とが
見事なまでに混在している!…と私なら答えます!
でも、繰り返しますが。
私は決して、この≪表面上の紳士・淑女≫を否定しません。
≪表面上の紳士・淑女≫には、彼らなりの葛藤があります。
内面では、ある意味で人間らしいマイナス感情を抱いても。
外面では、爽やかに華麗に振る舞おうとするわけですから。
そして、そうした人々があまりにも多いからこそ。
その葛藤が、もはや国民性ともなっているからこそ。
イギリス独特の文化ともいうべき、
Black humour = ブラック・ユーモア
(皮肉や毒舌に満ちたジョーク)が存在するのでは?
私は、この Black humour は嫌いじゃないんですよ。
…あっ、皮肉めいた言い方になってしまったかな? (^-^;)
素直に、正直に言いましょう♪
割と好きです…というか…結構、好きなんです!!
でも、残念ながら。
この Black humour 独特の笑いのツボは、
日本ではなかなか理解してもらえないようです。
≪本当に性格が悪い人≫と見られてしまうこともあるので、
注意が必要になります…。