今回は、外国の絵本で気になってしまう
エンディングについて!
以前の記事でも書きましたが、私は
小学校の図書ボランティアをしていて、
朝の会が終わった後に、子どもたちに
絵本を読み聞かせる活動をしています。
その際は≪本の持ち方≫≪声の出し方≫
などいろいろなテクニックも必要ですが…
それ以前に、もっと大切なことが。
それは≪どんな本を選ぶか≫です。
学校行事・授業内容などに関連したテーマ
のこともありますが、そればかりではなく
昔話にしたり、実話の作品にしたり。
笑える本も、泣ける本も…偏らないように
いろいろなジャンルの本を読みます。
子どもたちの年齢(学年)も考慮します。
何度か試読して所要時間も把握します。
また、自分以外のボランティアメンバーが
どんな本を読んだか分かるように情報共有
しているので、以前に読まれた本とは
かち合わないように注意します。
…と、意外といろいろ制約がありまして。
本選びは、大切であると同時に大変!!
私自身が、もっともっとたくさんの本を
知らないと…と常に思っています。
そこで、時間があるときは図書館に行って
絵本を読んでいます。
「これは読み聞かせにぴったり!!」
という本に出会えると、すごく嬉しいっ♪
でも、そう簡単には出会えません~。
まず、離れたところからは見づらいような
小型の絵本は最初から手に取りません。
ある程度の大きさがあって手に取っても…
絵がすごく細かかったり淡かったりすると
やはり遠目には分かりづらいのでボツ!
対象年齢に合わない内容の作品はボツ!
時間内に読み終われない長編もボツ!
そんな条件をクリアしながら読み進めて…
最終難関ともいえるポイントになるのが
エンディングなんです!!
最終ページで意外な結末が待っている
≪どんでん返し系≫は
文句なしの合格!!
子どもたちは、その新鮮な驚きで満足して
くれることでしょう☆
一方で、意外性とは全く逆に、定番の
≪ハッピーエンド系≫や
≪勧善懲悪系≫も間違いなし!!
子どもたちは、主人公が成功や勝利を収め
幸せになる姿に満足します♪
そして、楽しいお話ばかりではなく
≪悲劇系≫にも秀作はたくさん!!
子どもたちは哀しみの中から、命について
心について、考えてくれることでしょう。
さて、そんな中で、残念ながら…。
非常にがっかりする…というよりむしろ
とてつもなく拍子抜けする
エンディングの絵本が存在します。
「…え? これで終わりなの?
本当にこれだけで終わっちゃうの?」
と言いたくなるような物足りなさ!
これといった成功も失敗もない。
納得できるようなオチは見当たらない。
何の変哲もないシーンで話が終わる…。
例えば、こんな話をどう思いますか?
エンディングに注目して読んでください↓
少女が母親を探して歩いている…
あちこち行くがなかなか見つからない…
困ってしまった少女は、思わず…
お気に入りのぬいぐるみを抱っこする!
「…は??? だから何???」
って思ってしまわないでしょうか?
(結局、母親と会えたのかは不明!)
そしてこの≪オチ不明系≫は
海外の作品に多いということに
気が付きました。
日本語に翻訳して出版されているけれど、
原作者が欧米人という場合が多い…。
あるとき、こうした≪オチ不明系≫絵本を
原文(英語)で読む機会がありました。
不思議なもので、同じストーリーなのに
違う言語で読めば違うリズムになります。
そして英語の感覚で、英語の感性で読んで
最後のページをめくったとき…
今まで日本語で読んでも分からなかった
何かが、ストンと胸に落ちてきた気が
したんです。
それは一体、何だったのかというと…。
一言で表すのは難しい感覚なのですが…
≪ほほ笑ましさ≫とでもいうか。
分かりやすく言えば、乳幼児や動物などの
かわいらし~い表情やしぐさを見たとき、
思わず口をついて出てしまうような…
感嘆にも似た、溜め息まじりの愛情表現。
日本語で言うなら「まぁ~、かわいい♪」
「うっわぁ~、かわいい~~~」などの
「まぁ~」「うっわぁ~」の部分。
それを英語では「Aww」「Awww」などと
表し「アァ~」という感じに読みますが…
(↑最初のアにアクセント)
その「アァ~」がつい出てしまうほどの
≪ほほ笑ましさ≫は充分オチになる
というのが、欧米人の感性なんですね!!
「小さな女の子だけでもかわいいのに、
困っちゃった顔して、ぬいぐるみを
抱き締めるなんて…かわいすぎっ♪」
って感動して、それで納得するんですね。
以前の記事で「イギリス人独特のブラック
ユーモアは日本人には理解されづらい」と
書きましたが、この≪ほほ笑ましいオチ≫
も、あまりピンとこない方が多いかも…。
いや~、笑いのツボだけじゃなくて
感動のツボも違うとは…文化の違いって
本当に奥が深いです☆