スウェーデン出身の超人気男女デュオ
Roxette(ロクセット)
をご存知でしょうか?
1980年代後半以降、数々のヒット曲を飛ばし続けていて
男性のペールも女性のマリーもヴォーカルができるので
ペールが歌う男性目線の曲もあれば
マリーが歌う女性目線の曲もあるのが
大きな魅力!!
私はこの Roxette の曲が大好きで
CDを何枚も持っています!
歌詞を覚えてしまうほど繰り返し聴いてきました♪
自然と身体が動き出すノリの良いロックも
切なくて胸を締めつけられるバラードも
どちらもいいんですよね~! (*^_^*)
さて、そんな Roxette の大ヒット曲
『Fading Like A Flower
(Every Time You Leave)』
1991年にリリースされた失恋ソングで、
作詞作曲はペール、ヴォーカルはマリー。
心が引き裂かれるような切なさ・哀しさが胸を打つ名曲です!!
来日して音楽番組で歌ったこともあり、
日本向けの邦題もつけられています。
『消えゆく花のように』
…でも、ちょっと待って…?
訳者の方には申し訳ありませんが、
これって誤訳では?と思うんです。
『消えゆく花のように』を英語に戻したら
Like A Fading Flower になるはず!
Fading Like A Flower にはなりません。
この違い、分かっていただけますか…?
何が Fading しているのかが違うんです!
Like A Fading Flower
→ Fading しているのは≪花≫
Fading Like A Flower
→ Fading しているのは≪私≫
後者は英文のどこにも≪私≫という単語が
入っていないように見えますよね。
でも実はこのタイトルは、一番盛り上がる
サビの歌詞の一部からとられています。
つまりサビの歌詞の文脈を考慮する必要が
あるんですね。
著作権などの関係もあるので、
ここでは歌詞全文は掲載しませんが…。
あくまでも、英語として勉強するために。
タイトルに関係ある部分のみ書きますね。
Every time you leave the room,
I feel I'm fading like a flower.
ほら、fading しているのは≪私≫!
ところで、先程から fading だけは
敢えて英語のまま扱っているんですが…
実はその訳し方にも疑問がありまして。
まず、fade という単語のニュアンスは、
ぼんやりと、ふわ~っと…つまり少しずつ、
なくなっていく感じです。
ただし、何がなくなるのかによって
訳し方も微妙に違ってきます!
[光・音などが]消えていく・弱まる
[色などが]薄くなる・褪せる
[力などが]衰える・やわらぐ
[植物が]しおれる
そう。ここでは『花のように』ですから
≪色褪せる≫か≪しおれる≫が適切では?
花が絶滅するという歌詞でもないので
≪消えゆく≫では少し変でしょう?
ここで、もう少しだけ歌詞を見てみると
Every time you leave the room,
I feel I'm fading like a flower.
Fading like a rose,
Fading like a rose,
Beaten by the storm.
サビの後に一度だけ出てくる歌詞で、
≪花≫が具体的には≪バラ≫で、
Fading の理由は≪嵐に打たれて≫だと明かされます。
≪嵐に打たれたバラ≫であれば…
≪色褪せて≫よりは≪しおれて≫がふさわしそう。
つまり私の解釈では、この曲のタイトルは
『花のようにしおれて』
あるいは、意訳が許されるならば
『嵐に打たれた花のように』
サビの部分を訳すなら
『あなたが部屋を出て行く時はいつも
私は花のようにしおれていく気になる』
…なんて、いろいろ考えてから。
CDの歌詞カードでサビの和訳を読んで、驚きました!!
『あなたが部屋を出ていくたび
花のようにしおれる自分を感じるの』
私の解釈とは少々違う部分もあるものの、
歌詞のほうは大体ちゃんと訳されてる~!
って…すみません、今更で。 (^_^;)
私は洋楽を聴くとき、
歌詞カードで原文を確認することはあっても、
和訳の部分はあんまり見ないんですよ。
本当にひどい誤訳でゲンナリすることも多いので、
見なくなりました。
ところが…これはマトモなんですね!!
じゃあ、どうしてタイトルのほうはもっと
忠実に訳してくれなかったんでしょう!?
そうしたら、私がこんなふうに
「絶対に違う~! 説明するとしたら…」
なんて悶々とすることもなかったのに~!
何はともあれ、名曲であることには変わりありません。
まだ知らないという方は、是非聴いてみてください♪