皆さんも耳にしたことがあるはずの≪バチカン≫は、
世界史の勉強や、海外ニュースなどに登場しますね。
カトリックの総本山といわれ、ローマ教皇がいる場所。
でも≪バチカン市国≫と聞くと…。
結局のところ、市なの? 国なの?
と紛らわしく感じている人もいるかもしれません。
確かに、イタリアのど真ん中に、
それもローマ市内にあるんですが…
結論から言うと、れっきとした独立国家です!
ローマ教皇が国家元首なんです!
(2017年現在のローマ教皇はフランシスコです)
国土面積は、世界最小!
その中に、宮殿、大聖堂、礼拝堂、美術館などが
ぎっしり詰まっています。
そしてそれぞれが、世界最高レベルの芸術によって
埋め尽くされているんです!
建築、絵画、彫刻などなど…。
全域が、世界文化遺産に登録されているほどです!
このバチカン市国を、私は1980年代後半に訪れました。
家族とのイタリア旅行中に、立ち寄ったのですが。
当時は子どもだったので、最初は
「国の中に、また別の国があるなんて、おもしろ~い♪」
とお気楽に観光していたのが…。
サン・ピエトロ大聖堂に足を踏み入れた瞬間。
荘厳な佇まい、隅々にまで贅を凝らした装飾。
囁き声も足音をも幾重にも反響させる、高い天井。
澄みきっていて、それでいて重厚な空気の、その静謐さ…。
思わず、息を呑みました。鳥肌が立ちました。
自然と居住まいを正してしまうほどに。
「“心が震える”とは、こういう感覚なんだ」
と身をもって知りました。
そして、そこで見た、ルネッサンスの最高傑作とは…
十字架から降ろされたイエス・キリストを抱えて
慈悲深い眼差しを落とす、嘆きのマリア。
ミケランジェロの代表作の一つ、ピエタ像でした。
これが石!?…と信じられなくなるくらい、
緻密で、リアルで、とにかく美しくて…。
時を忘れて見入ってしまう、惹き付けられてしまう。
マリアの哀しみが、ひしひしと伝わってくるようで。
こんな素晴らしい彫刻が、人間の業とは思えなくて。
(ミケランジェロは弱冠24歳でこれを完成させたそうです!)
…そのときの感動は、約30年が経った今でも、
鮮明に思い出すことができます。
ただしピエタ像を見られるのは、透明のパネル越し。
なんとかつて、正気を失った見物客が襲い掛かり
一部を破損させたのだとか! (`Д´)ノ
破損した部分は修復されていましたが、
この芸術作品を二度と危険な目に遭わせないように、
透明パネルが設置されたのだそうです。
それでも、そんなパネルの存在なんて忘れさせるほど
揺るぎない美が、魂が、そこには感じられて!!
写真ではなく、是非その場で見ていただきたいと
心からオススメできるんです!!
キリスト教徒かどうかに関係なく、感動できると思います!